標本DATA
【種類】 ヒメオオクワガタ Dorcus montivagus montivagus ♂
【サイズ】 54.8㎜
【採集場所】岐阜県大野郡荘川市
【採集日時】2001年8月15日
【採集方法】Looking採集(ヤナギ類)
【採集者名】Y. K.
種類毎に、なかなか超えられないサイズ(大きさ)があります。例えば、ミヤマクワガタ♂は北海道や九州の多産地であっても、75ミリを超えるサイズは非常に少ない。ノコギリクワガタ♂70ミリ、コクワガタ♂50ミリ…そのあたりが、なかなか超えられないライン(一線)のように感じます。
ヒメオオクワガタに情熱を注いでいる方々曰く、55ミリが特大ラインだそうです。私が持っているヒメオオクワガタをCheckしてみますと、53~54ミリはそこそこ数を持っていますが、55ミリ以上がいない。55ミリ、55.1ミリ、55.2ミリの3頭を見つけましたが、再展脚後にしっかり乾燥させると、おそらく55ミリを切ってきそうな感じです。確実に55ミリを超えるヒメオオクワガタは、たった1頭だけでした。55ミリの壁を感じました。
本個体をじっくり見ていただきたいです。横幅があって重量感も感じられる素晴らしいヒメオオクワガタです。これだけ大きくても、ノギスを当てるとギリギリ55ミリを超えていないことがわかりますね。
さて、本個体をお譲りいただいたKさんは、そろそろ終活中だそうです。この言葉を聞くと、私は寂しさを感じるのですが、確かに…全ての生きものはいつかお別れの日がやってきます。私たち人間も同じです。素晴らしく価値のある標本たちを、正しく活用いただける方々や施設に託していくことは大切な終活の1つですね。これらの標本を上手に活用すると、生きものに対する子どもたちの興味を引き出すきっかけ作りができると思います。それはNature Positiveの考えにつながるものです。私の考えですが…それは頂いた命に報いることにもなります。
Contributed by HIRO
May 13, 2025