標本DATA
【種 類】 ノコギリクワガタ(原名亜種) Prosopocoilus inclinatus inclinatus ♂
【サイズ】 Left 67.3 ㎜ Right 68.8 ㎜
【採集場所】北海道厚真町
【採集日時】2024年6月30日 2:00
【採集方法】Looking採集(外灯飛来)
【採集者名】A. I.
この日の昼間は23度、心地よい南風が肌に優しい日でした。これは夜に虫たちが飛ぶぞ!と思ったそうです。Iさんは、いつもの外灯巡りをすると、予想通りたくさんのミヤマクワガタやノコギリクワガタを拾うことができました。コクワガタは少しだけ、そして、大きな蛾をはじめとした昆虫類はもちろんのこと、昆虫を食べるカエルやヤモリ、タヌキも…外灯周辺には沢山の野生動物が大集合。想像するだけで楽しいですね。
Iさん曰く、水生昆虫もたくさん飛来していたそうです。皆さん、ガムシをご存じですか?ゲンゴロウ(ホンゲンゴロウ)と同じぐらい大きな水生の甲虫です。私はガムシを見ると大好きだった爺ちゃんの顔が浮かびます。小学生の頃、夏休みになると父母の生家(三重県多気郡勢和村)に帰るのが楽しみでした。爺ちゃんと田んぼ脇の水辺に網を入れてガサガサすると、ガムシがたくさん採れました。可愛い目(複眼)、ボディは黒くてピカピカ、太陽に照らすと青みがかって、大好きな昆虫の1つでした。成虫の飼育は簡単で、水を入れたバケツに婆ちゃんが育てていた、菜っ葉や大根の葉を入れると喜んで食べていました。漢字で牙虫(がむし)と書きます。名前の由来は腹側にある尖ったトゲ(牙?)からきているようです。触れても大丈夫なトゲですから安心ください。幼い頃の私は、ガムシを鷲掴みにしていましたので…笑
さて、話をクワガタに戻しますね。
本個体を見てくださいませ。この太さ…凄くないですか!体全体に厚みがありますね。大きく湾曲した大アゴも太く、これぞ極太個体と言えます。
素晴らしい個体なので、丁寧に標本製作したのですが…上翅が開いてしまった。上翅が比較的硬いノコギリクワガタはあまり開かないのに…。脚の水平度を保つために、展脚プレートに押さえ過ぎたか???上からの圧がかかったまま、真空乾燥させてしまったのが敗因かもしれません。本個体も大アゴにズレがあるため、全体のバランス取りが少し難しいのですが、翅が開いた以外は、とても満足な仕上がりでございます。
Contributed by HIRO
May 1, 2025