標本DATA
【種 類】 アマミマルバネクワガタ Neolucanus protogenetivus protogenetivus ♂
【サイズ】 61.2 ㎜
【採集場所】鹿児島県大島郡瀬戸内町西古見 鳥帽子岳(奄美大島)
【採集日時】2009年9月8日
【採集方法】夜間Looking採集(スダジイの古木)
【採集者名】K. S.
本個体は、私が所持している奄美大島で採集された最大個体になります。
採集されたSさんは、この年、とても良い発生木を見つけることができました。そのスダジイの大木より58ミリ台が3頭、そして本個体の合計4頭が獲られたとのことです。ラッキーだった半面、発見が遅かったため、特大4頭が互いに戦いを繰り返し、上翅に穴が開いていたり、全個体がかなり傷ついた状態でした。もう少し早く発見できていれば美しい完品だったのに…と採集されたSさんも、かなり残念がっておられたそうです。
発生木には大きな樹洞があり、その中にたまったフレークで発生した個体たちでした。これだけ大きなサイズが4頭も出てきたわけです。非常に状態の良い栄養たっぷりのフレーク(食べ物)だったのでしょうね。
本個体をじっくり見てください。立派ですね。Sさんのお話のとおり、右上翅がバリっと割れています。これだけの傷ができるわけですから、マルバネの挟む力はかなり強いのだと思います。
それにしても、これだけ大きく立派なのに歯型はなんとか「中歯」でしょうか…。
Fさんが2005年に採集された62ミリ(当時の野外Guinnessとして知られている)の特大サイズの歯型でさえ、小さなギザギザが並んだ「小歯型」でした。
かなり少ないと思いますが、豊かな自然環境が維持された奄美大島のどこかで大歯型が生まれてきていると思います。その理由は…良い条件で飼育すると、大歯型が生まれてきているからです。
後ほど、私の友人である高島さんが飼育羽化させた凄い大歯型を、皆さんにご紹介させていただきます。
Contributed by HIRO
May 9, 2025