標本DATA
【種類】 アマミマルバネクワガタ Neolucanus protogenetivus protogenetivus ♂
【サイズ】 56.1㎜
【採集場所】鹿児島県大島郡宇検村 湯湾岳(奄美大島)
【採集日時】2006年8月30日 24:00
【採集方法】夜間のLooking採集(スダジイ)
【採集者名】S. F.
子どもたちにとって身近なクワガタたちは、5月終わりから活動が始まり7月が最盛期、お盆過ぎになると、そろそろ終盤となります。しかし亜熱帯地方(南西諸島)に生息するマルバネクワガタは違うのです。本個体が採集されたのは夏休みの終わりです。年によって変動はありますが、マルバネのハイシーズン(活動時期)は9月から10月になります。南西諸島に生息する魅力的なマルバネたちに注目が集まった2000年代には採集好きの方々が、夏は本土で採集し、秋になるとマルバネの発生時期にあわせて島を移動しながら採集するのを楽しみにされていたようです(恒例行事)。マルバネの魅力にはまってしまった方々がたくさんいらっしゃいます。現在は、西表島のヤエヤママルバネ、チャイロマルバネを除く全てのマルバネクワガタが、条例や法律によって採集禁止となっています。節度なく採集される方もいらっしゃるので、採集禁止には反対はしませんが、一番大切なのは、生息地(自然環境)の保護だと思います。野生生物、とりわけクワガタは1頭のメスより30~50の子ども(卵)が生まれます。子孫を残す力が大きいのです。生息環境さえしっかり維持できれば、ずっと命をつないでいってくれると思います。厳しい採集規制をかけて保護しているにも関わらず、その種が生息する環境が開発によって破壊されているという残念な話も耳にします。この魅力的なクワガタたちが正しく保護されることを心から願います。
Contributed by HIRO
2025 January