[ 70.3 ㎜ ]だんだん採れなくなってきているような

標本DATA

【種類】  ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂

【サイズ】 70.3㎜

【採集場所】兵庫県南あわじ市

【採集日時】2023年7月15日 17:00

【採集方法】Looking採集(クヌギ)

【採集者名】Takashi HASEGAWA

長谷川さんが、いつものように池の周辺にポツポツ点在しているクヌギをチェックしていると、樹上4メートルほどのところに大きなクワガタのお尻が見えた。如意棒式の虫網を伸ばして、そ~っとお尻のあたりへ網を当てると、ポロリと落下…隣の枝葉に引っかかり、そこに絡んだツタが邪魔をしてミヤマクワガタを捕獲するのにかなり苦戦したそうです。

それにしても今は良い採集道具がありますね。クワガタってけっこう高所にいます。

樹液が木の高いところから染み出していると、そこに大きなミヤマクワガタが…。太いクヌギなので、何度、蹴ってもまったく落ちない…悔しくてずっと下から眺めていたことを思い出しました。揺らしても落ちてこないミヤマは、とことん落ちてきません。まぁ、小学生の私のキック力にも問題があるのですが…大きなクヌギは微動だにしない…。

私の幼い頃のミヤマクワガタが採れるポイントも池の周りでした。そこのクヌギは細い木も多く、蹴っ飛ばすと落ちてくれるのは良いけれど、深い池の上にポッチャン…水面でもがくミヤマクワガタを眺めているしかなかった。採れない自分もガッカリだし、ミヤマクワガタにも申し訳ない気持ちでした。

さて、このミヤマクワガタが採れた池の周りの標高は130メートルほど!ミヤマクワガタが採れる良いポイントだったのですが、ここ数年、夏の平均気温が上昇し30℃超えもしばしば…どんどん採れなくなっています。このまま気温が上がっていくと、この場所でミヤマは採れなくなるでしょうね。淡路島のミヤマクワガタは少なくなっていると思います。

生き物たちは、環境の変化に敏感です。気温上昇とともに、そこで見られる植物も少しずつ変化していく、そして、そこに住む動物たちは、よりスピーディーに変わっていきます。

そうそう、このミヤマクワガタを見て下さい。お尻(腹部)が大きい!上翅の幅は一番太いところで21.5ミリくらいあります。あまりにお尻が大きいので、長谷川さんに見つかったんでしょうね(笑)

なかなか面白いフォルムのミヤマクワガタだと思います。

そして、もう一つ興味深いのは、採集場所が標高130メートルほどなのに、歯型がエゾ型です。色んな意味で、面白いミヤマクワガタです。

Contributed by HIRO

2023 September

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