標本DATA
【種 類】 スジブトヒラタクワガタ Dorcus metacostatus ♂
【サイズ】 体長 72.5 ㎜
【羽化日】 2022年2月28日(CBF1 – 幼虫期間20ヵ月ほど)
【飼育方法】特性熟成マット使用
【飼育者】 A. M.
(種親について)
【採集場所】鹿児島県奄美市龍郷町(奄美大島)
先に紹介した2頭よりさらに大きい…体の幅と厚みが凄いです。野外Guinness個体(70.1ミリ)より2ミリ以上も大きい超特大のスジブトヒラタクワガタになります。飼育個体でなければ、出会うことのないサイズかと思います。私自身も3~4センチ台のスジブトヒラタをたくさん見てきましたので、本個体はまったく異次元のサイズ感です。
奄美大島の5つの市町村において、希少生物保護条例が制定されています。アマミマルバネ、アマミシカ、アマミミヤマの3種は保護対象となり捕獲採集が禁止されていますが、2種のヒラタクワガタ(スジブト、アマミ)は外れています。それだけ生息数が多いということでしょうね。飼育してみると、比較的簡単に累代飼育ができます(初心者向け)。環境変化に対する適応力が高いことがわかります。ただ、累代飼育は簡単ですが、これほどの大型個体を生み出すとなると話は別です。60~65ミリくらいは、丁寧に飼育すると生まれてくるようですが、それ以上(70ミリ前後)となると難易度が一気に上がります。飼育されたMさんによりますと、種親のポテンシャル、食べ物の熟成度やマット交換のタイミング、温度管理などがポイントになるそうです。何でもそうですが、トップクラスを目指すには、状態をよく観察して、試行錯誤しながらトライ(挑戦)することが大切。なんと75ミリ超えのスジブトも羽化してきているようです。ただ、食べ物が栄養過多なのか?温度の問題なのか?上翅が大きく歪んだり、腹部肥大(腹ボテ)など、なかなか上手くいかないそうです。
もしオオクワガタと同じぐらい本種のブリーダー(飼育者)が増えてくると、いつの日か80ミリクラスのスジブトヒラタが見られるかもしれませんね。
Contributed by HIRO
June 20, 2025