標本DATA
【種 類】 スジブトヒラタクワガタ Dorcus metacostatus ♂
【サイズ】 体長 71.5 ㎜
【羽化日】 2023年2月28日(CBF1 – 幼虫期間20ヵ月ほど)
【飼育方法】特性熟成マット使用
【飼育者】 A. M.
(種親について)
【採集場所】鹿児島県奄美市龍郷町(奄美大島)
本種が日本固有種であることをご存知でしたか?
本種はアマミヒラタクワガタより古い時代に南西諸島に侵入し、独自の進化を遂げたと考えられています。現在、奄美大島、加計呂麻島、与路島、請島、徳之島の5島で生息が確認されています。世界中を見回しても、南西諸島の5つの島だけスポット的に生息が確認されているのです。遠い昔、何があったのでしょうね?
名前の由来は背中(上翅)に太い筋がくっきりと入ることからきています。数えてみると8本のスジ(帯)が見られます。大型種で明確にスジが入るのは、世界中のクワガタムシを見回しても本種だけのようです。地球上には様々な種類のクワガタが生息していますが、その中でも、かなり特異な種類になります。
さて、標本をじっくりと観察してみましょう。このスジがあることで、重戦車のような格好良さが感じられますね。そして樹皮に溶け込むカムフラージュ的な役割も果たしていると思われます。
凄いサイズですが、少し腹部が大きめ(肥大気味)です。おそらく幼虫時代に栄養をたくさん摂取したのだと思います。
Contributed by HIRO
June 17, 2025