標本DATA
【種 類】 ノコギリクワガタ(原名亜種) Prosopocoilus inclinatus inclinatus ♂
【サイズ】 67.1㎜
【採集場所】香川県仲多度郡多度津町高見(高見島/瀬戸内海)
【採集日時】2024年8月9日 7:30
【採集方法】Banana Trap採集(アキニレ)
【採集者名】Akinori MURAYAMA
村山さんは、調査研究を兼ねて、数年毎に高見島を訪れているそうです。早速、本個体を採集されたMURAYAMAさんのお話を伺ってみると…
2024年の夏は特に暑く、現地の気温は38度越え、クワガタどころか「生きものWildlife」があまり見られなかったそうです。昆虫採集のために、安くない交通費(船賃など)をかけて、わざわざ高見島に足を運ぼうと考えておられる方々へアドバイスさせていただきます!
「行かないことをお薦め致します…by Murayama…笑」
2021年に村山さんが高見島を訪れた時、多数のノコギリクワガタがアキニレの樹液に群がっていました。そんな光景を今年も期待したのですが…3年前の記憶を辿って樹液木を見て回っても、樹皮はカラカラ…樹液を出している木はまったく見られませんでした。暑さに加えて少雨も大きく影響しているのでしょうね。
熟成させた美味しそうなバナナを、良さそうな木々にしかけても、カナブンがチョコチョコ飛んでくるだけでした。このような悪条件の中でしたが、なんとかノコギリクワガタを2頭だけ確保!そのうちの1頭がMURAYAMAさんの高見島Guinness(本個体)でした。アキニレに仕掛けたバナナに飛来してくれました。
「悪条件の時に、ポンと特大個体が採れたりするんだよね!」と私の友人が嬉しそうに話していたことが思い出されます。
高見島のノコギリクワガタは、周辺の島々と比較すると、大アゴが曲がった大型サイズが多いそうです。ただ大きくても62~63ミリほど…65ミリを超えるサイズは少ない。
本個体は、きっちりと乾燥させても67ミリを超えてきました。ノコギリクワガタの多産地でも、67~68ミリクラスは、そんなにたくさん採れません。立派な個体をじっくり見てください。美しくカーブを描いた大アゴ、頭部の発達も素晴らしい。
村山さんの高見島Guinnessと言われると、当然ながら標本作成に気合いが入りました。触角、口唇髭(こうじゅくひげ)も上手く整形できました。良い出来栄えでございます。
Contributed by HIRO
June 6, 2025