標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ(五島列島亜種) Dorcus titanus ssp. karasuyamai ♂
【サイズ】 72.0 ㎜
【採集場所】長崎県北松浦郡小値賀町(小値賀島)
【採集日時】2024年8月25日 21:00
【採集方法】Looking採集(クヌギの樹液周り)
【採集者名】T. S.
Sさんは、五島列島で毎年、採集を楽しまれています。本個体が採集された小値賀町は五島列島の北部に位置し、大小17の島からなる火山群島で構成されています。その中の一番大きな島が小値賀島になります。周囲30キロほどの島で2000人ほどの方々が島に住んでおられるようです。豊かな自然環境が維持され野生生物も多く、懐かしい日本の原風景が残る島として知られています。
Sさんにお話を伺うと、10年ほど前は小値賀島で80ミリクラスを筆頭に大きなヒラタクワガタがたくさん観察できたそうです。残念ながら、年々、サイズダウンし、2024年は40~50ミリくらいがほとんどで、60ミリを超える個体は多くなかったそうです。本個体はここ3年で見られた最大サイズになります。今後、小値賀島で70ミリUPに出会う確率はどんどん低くなっていきそうですね。
なかなか出会えないサイズ!と言われると、本個体が75ミリくらいに見えてくるから不思議でございます(笑)
本個体をよく見てくださいませ。大きな傷はありませんが、両方のアゴ先は摩耗(欠け?)し、体全体が擦れています。爪先も鋭さがないですね。もしかしたら、昨年の春に成虫となって、厳しい自然の中を長く生き抜いてきた個体かもしれません。野武士のような迫力と美しさが感じられます。
触角の整形が美しく決まりました。標本の出来栄えはかなり満足でございます。
Contributed by HIRO
May 20, 2025